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この記事は、東京産業人クラブ及び日刊工業新聞ベンチャー報道班編集による
「東京の優良103社」(1998年4月13日発刊)の抜粋です。



◆コンピュータバスラックとバックボードの専門メーカー◆
エブレン(株)

産業用電子機器や工業用コンピュータのバスラックとバックボード(バックプレーン)の設計・製造を専門とするメーカー。
エレクトロニクス分野における頭脳、知力の集団"エレクトロニクス・ブレインズ:EBRAINS"となることを目標に1973年に創業した。製品はVME、VXI、Multibus、CompactPCI等の工業用コンピュータ規格に準拠した自社ブランド製品と、客先の仕様に基づいて設計・製造するカスタム製品に大別される。この二十数年の活動を通じて蓄積したバックボードの設計製造事例は2千種を上回り、このデーターベースは同社の最適化設計・短納期開発の原資となっている。これまで経験したジャンルも多岐に渡り、コンピュータや通信を中心として、機械制御、試験・検査装置、電力やプラント等の計測制御、画像・映像装置、ATSやATC等の列車搭載装置、航空計器、船舶搭載機器、航空管制装置からミサイルなどの防衛システムまでに及んでいる。

◎バックボードの自動配線メーカーとしてスタート
大手エレクトロニクスメーカーの技術者時代に制御用コンピュータやミニコンピュータの開発に従事した創業者の上村社長は、いずれはコンピュータや産業用電子機器は、外部の専門メーカーが作るユニットや部品を採用し、組み合わせて作る時代になると予測したと言う。昭和48年に創業した当社が最初に取り組んだテーマがコンピュータバックボードの自動配線であった。バックワイヤリングの高密度化と、この種の企業が国内になかったこともあって、順調にユーザー層を拡大して行ったが、一方でコンピュータの世界は次第に国際的標準化とオープン化への道を指向し、工業用としてはVMEやMultibus規格が誕生した。コンピュータバックボードを基軸に据えていた当社は、これらの規格バス製品をいち早く開発して商品系列に加え、標準規格バックボードのメーカーとしても知られるようなった。

◎バックボードは電子機器のバックボーン
「バックボードは人間の身体でいえば背骨や脊髄のようなもの」(上村社長)。すべての神経が集中する所だけに要求される性能と品質レベルは極めて高いが、頭脳(CPUやメモリーボード)、手足や五官(周辺機器やセンサー及びI/Oボード)等と異なり、それ自体は能動的な機能を持たないという意味だ。だから本業指向とテクニカルアウトソーシングに積極的な一流のシステムメーカーからの設計込みOEM生産受注が多い。

◎マス・カスタム生産システム
多種少量・変種変量を常とするカスタムバックボードのQCD戦略として5年を費やして開発したのが同社独自の「マス・カスタム生産システム」だ。多種少量・中量製品で量産効果を生み出すというこのシステムは、設計・製造段階の徹底した共通化と独自開発の製造設備や試験設備によって構成されている。更にユーザーが安心して注文できるように、全社を挙げて「ISO9001」の認証取得に取り組んでいる。


◆ 社是と特徴 ◆

社是
社会と企業と個人との連帯を尊重し、共に成長と繁栄をはかろう。

特徴
多種少量生産で量産効果を発揮できるマス・カスタム生産システムを導入、これを前提とした営業、技術、生産、QCの各戦略を総合的に展開中。



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